https://www.reuters.com/markets/europe/german-govt-talks-with-uniper-about-support-measures-2022-06-30/
https://muragoe-makoto.blog.jp/archives/86332456.html
足下で欧州の電力会社は全体として厳しい状況に追い込まれているが、中でもドイツの電力会社は非常に厳しい状況に置かれている。
特にここ1-2週間話題になっているのが、ロシアがパイプライン経由のガス供給を無断で絞っているということにある。
ここ数日のニュースを見ているとロシアのガスへの依存度の高いドイツとイタリアは、ここ1-2週間は本来ガスプロムと契約している量の50%前後程度しかガスが供給されていないと説明している。
そのような中でドイツの電力会社大手であるUniperが損失を出し過ぎててもうどうしようもない状態なので政府に対して補填するか電力価格高騰を顧客に転嫁するかどちらかさせてくれと泣きついていて、もしそれが出来ない場合はこのままではデフォルトとなる可能性さえあるように思われる。
なぜこのような事態に陥ったのか?
Uniperは火力発電と再エネ発電というポートフォリオなのだが、問題は火力発電のところにあり、この火力発電のリソースがロシアのガスに全面的に依存していた。
そしてロシアがガス供給を無断で絞っていったために、新しくどこかでガスを調達する必要が生じた。
普通はこうした原料高に対して原油・ガスの先物に買いを入れてヘッジしているわけなのだが、いわゆるロシアのガスというのは一般的なLNGと比べて何割か安いという特別価格水準となっている。
そのため、一般的なヘッジ金額がおそらく普通のLNG価格に対して不足している。
さらに言えばこのヘッジがロシアのガスに対するものであり、そもそもデリバーされていないというリスクも示現していて先物買いヘッジが効いていない可能性さえある。
これに対してUniperは慌ててLNGをどこかから調達しなければいけない。
しかし、LNGの世界というのはほとんどが中長期契約であり、供給量については事前に〇年間にこれだけの量と決めるのが一般的な世界である。
このような契約をUniperは保有していないわけで、慌ててごくわずかしか流通していないスポット価格で取りにいっている。
そしてどうやらこの割高スポット価格についてはドイツ政府が顧客への転嫁を認めていないようであり、ロシアガス価格で仕入れたことを前提にした料金にしろとしているようである。
これによって上記記事に書いてある通り、Uniperは毎日42億円程度の追加コストが生じており毎日キャッシュフローを伴う損失が駄々洩れしているためにこのままではデフォルトしてしまうと言っている。
ドイツ政府はこのUniperの公的支援交渉については事実と認めている。
この場でこの話が出てくるのはおそらくUniper側がドイツ政府との交渉があまりにも進まないためにやむなく公表して脅しをかけるという選択肢に出たのだろう。
結局こういうドタバタ劇が欧州で起こっていることを考えると欧州株は買うに値しないだろうと考えている。
引用元:https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1656849663/
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Source: ニュー速クオリティ
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