https://gazoo.com/ilovecars/lifestyle/23/08/25/v/
クルマという機械製品が、「移動手段」という実益領域を超えた部分においてもさまざまな価値を発揮し得るプロダクトであることは、今さら言うまでもないだろう。
だが今回、トヨタ GRヤリスRSに乗る関口さんに話をお聞きしたことで、クルマという機械製品は「この険しい社会を生き抜くための個人的なエネルギー源」にもなり得るのだということを、恥ずかしながら筆者は初めて知った。
トヨタ・GRヤリスオーナーの関口さん
10年前に離婚した。若くして結婚し、結婚後はいわゆるパートタイマーとして少し働いていた程度の職歴だった関口さんが、いきなり2人の子どもを養う“大黒柱”に変身した。変身せざるを得なかった。
「幸いにして仕事の口はすぐ決まったのですが、職場は車通勤じゃないと通えない場所でした。でもないんですよ、クルマが」
ワーキングマザーになる直前まで家にあった普通車を、前夫から譲り受けた。しかしそれは、当時免許取り立てだった息子氏がソッコーで潰してしまった。それゆえ関口さんはお金をかき集め、通勤用に自分のクルマを購入した。だが当時の関口さんが買うことができたのは、総額30万円にも満たない中古の軽自動車だけだった。
「私はクルマに詳しいわけではないですし、ぜんぜん運転が上手いわけでもありません。でもクルマの“カタチ”とか“雰囲気”みたいなものは昔から大好きなんです。そういった意味で、前の夫が乗っていたいろいろなクルマは好きだったのですが……」
シングルマザーとなった彼女の眼前に現れたのは――その車種自体に非があるわけではないためモデル名は秘すが――言ってはなんだがきわめてボロい、華も個性もない、中古の地味な軽自動車だった。
「朝起きて、子どもたちに食事をさせて、『じゃあ会社行くぞ! しっかり稼ぐぞ!』と勢い込んで駐車場に行くのですが……そこにある中古の軽を見た瞬間に、盛り下がってしまうんですね。盛り下がるというか、もっと正確に言うと『不安になってしまう』というほうが近かったかもしれません」
就職先は決まったものの、未経験の新人ゆえ、いきなりそれなり以上のお金がもらえるわけでもない。
そしてゆくゆくは昇給していったとしても、自分ひとりの稼ぎで子どもたちを無事育てられるのか?
もしも自分が身体を壊してしまうなどしたら、果たして家族はどうなってしまうのか?
――等々のどうしても湧き上がってくる漠然とした不安感を、まさに実体として表現してしまっていたのが、毎朝見る、見るしかない、その中古軽自動車だったのだ。
幸いにして、ワーキングマザーとなった関口さんのワークは順調に推移し、1年後には中古軽自動車を“卒業”することができた。まずは新車のトヨタ アクアに乗り替え、それにモデリスタのパーツ類を装着して3年ほど乗った。
さらにその後は同じくトヨタのアクアGR SPORTに乗り替え、これにも4年ほど乗った。毎日の“気分”は、中古の軽に乗っていた頃とは「天と地ほどに違った」と、関口さんは言う。
「で、アクアGR SPORTはかなり気に入って乗っていたのですが、ディーラーの担当セールスさんに“ヤリスへの乗り替え”を提案されたんです」
引用元:https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1694741024/
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Source: ニュー速クオリティ
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