■過去の光栄にだけ期待する現実
さらに大きな問題は新鮮さの枯渇だ。2023年の日本国内での興行上位のアニメ10作品のうち7作品が、1980~1990年代の作品のリメイクだった。制作されてから数十年が経過した『スラムダンク』や『名探偵コナン』『ドラえもん』のような作品の興行が、喜ばしいながらも苦々しい
理由だ。現在の日本アニメ業界には、新しい試みよりも検証済みのIPのリサイクルが蔓延している。30年前の作品のノスタルジーを売ることが最も安全な選択になったのだ。
なぜこのような選択をしたのだろうか。答えは意外なことに単純だ。過去のファンたちが現在の最強の消費者になったためだ。1980~1990年代にアニメをみて育ったX世代とオールド・ミレニアム世代は、今では安定した購買力を持つ40~50代になった。業界のこのような選択は、
一見すると合理的に思える。実際、2023年に公開された『THE FIRST SLAM DUNK』は全世界での興行収入が2億7000万ドル(約430億円)を記録し、『ONE PIECE FILM RED』は1億8000万ドル(約280億円)の収益を上げた。このように製作費の回収が確実な
検証済みのIPに寄り添うことは、不確実性が高いコンテンツ産業としては、当然の選択であるかのようにみえる。
しかし、これは結果的には創作の悪循環を生んだ。新たなIP開発に対する投資は徐々に減り、若い創作者の挑戦の機会も減少した。日本アニメーション協会の資料によると、2023年の日本のアニメ業界の新規IPへの開発投資額は、10年前の半分の水準にまで低下した。
特に懸念されるのは、リメイクや続編が原作のオーラにだけ依存する傾向だ。一部の専門家は、過去の作品の外皮を借用するだけで、当時の作品が持っていた時代精神や挑戦精神は消えたと、乱立するリメイクの問題点を指摘する。
実際、1980~1990年代に日本アニメの黄金期を牽引した作品は、当時としては破格的な試みだった。『AKIRA』はサイバーパンクという新ジャンルを切り開き、『新世紀エヴァンゲリオン』は既存のロボットアニメの文法を完全にひっくり返した。日本アニメ界の巨匠宮崎駿が
率いる「スタジオジブリ」の作品は、環境、戦争、成長という普遍的なテーマをアニメに昇華させた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/07da2484d680337bbcfb37345f8f747b86eafab2
引用元:https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1735885312/
続きを読む
Source: ニュー速クオリティ
コメント