【アークナイツ】デイリー危機契約＃7初日怪文書

全盛ポンペイヤケクソで草

聞くんだ。トランスポーターからの報告によると、今回の掃討対象となっている感染生物のコロニーは、ヨウガンオリジムシを中心として構成されている。
以前君たちがシエスタの火山洞で遭遇した大型個体の近縁種に当たるものだ、ドクター。
これらの種のオリジムシは黒曜石を摂取することで知られるが、餌と表現するには些か語弊があると言わざるを得ない。
黒曜石の主成分である二酸化ケイ素は科学的安定性が高く、これを分解してエネルギー源とすることは到底現実的ではない。
簡単に言えば食事には適さないということだ。そもそも火山とはいえ他にいくらでも黒曜石よりはマシな食料が存在するだろう。
つまり、彼らが黒曜石を摂取する事には明らかに別の目的がある。
……君はよく隠れてオリジムシを食べているだろう。必ず除去しなくてはならない部位は把握しているな。そう、消化器と外皮だ。
彼らは源石を摂取したのち、それらの成分を表皮に濃縮して外殻にする。そして生息域を火山に移した亜種にも同様の機構があると推定できる。
つまり黒曜石の成分を外殻にすることで外敵から身を守っているのだろう——さながら鎧を着込むように。
だがシエスタの一件でPompeiiと識別された個体はかなり「弱かった」はずだ。件の事後報告書を読めば分かる。
黒曜石が違法採掘によって枯渇したために外殻の強度が低下していただろうし、急激な環境変化によるストレスで衰弱していたのだろう。フィールドワーク用の軽装でも対処できる程度にはな。
改めて念を押すが、今回は状況が大きく異なる。本来の大型種は遥かに危険で、外殻の強度もシエスタの個体の比ではない。
したがって本作戦では耐熱防具に加えて大型感染生物用の装備一式を携行する。余分な物資を持ち運ぶ余裕は一切無い。いいか、一切だ。
無論、君が先ほど小躍りしながら輸送車に積み込んだ野外調理キットなどは論外だ。直ちに車から降ろしておくように。
本作戦についての情報共有は以上だ。質問はないな。……それは質問ではなく駄々だ。
………君の悪食には心底呆れさせられる。終いには純正源石だけでなく黒曜石まで齧る気か？
ドクター。いいから今は作戦に集中しろ。