【アークナイツ】たのしかったききけいやくも　きょうでおわりです

ドクター。知っての通り、危機契約機構から持ち込まれた一連の依頼は本日の作戦を以って完了とする。
報告書は一週間以内に必ず提出すること。
…君は決まって毎朝4時から作戦を開始しているな。これは極東の言葉で言うところの「夜討ち朝駆け」に相当するものだ。
夜討ちは暗がりに紛れて有利のうちに攻撃すること、朝駆けは敵が最も睡魔に襲われて不利になる時間帯に攻撃するということだ。
多少早起きして奇襲するだけで作戦成功率とオペレーターの負傷率が有意に良化するならば、やらない手はないということだ。
……君ならもう気付いただろう、ドクター。
夜討ち朝駆けによる「予期しない奇襲」による有利は、「簡単に予期できるほど明らか」に分かるものだ。
これは一種の論理パラドックス構造になっている。
今回の例のパラドックスを解決したい場合、前提条件である昼夜それぞれについて睡眠と関係する脳内物質オレキシン及びアデノシンの分泌を…………。ん。
寝ているのか。………ふふ。
……半月の間、苦労をかけたな。

起きろ。起きろドクター。輸送車の座席は君のベッドではない。寝惚けるなら自分の居室に戻ってから思う存分やってくれ。
しばらく北サルゴンで夜明け前に起きることを繰り返したいたからな。無理もないことは理解しているが。
連日の早朝からの作戦によって睡眠周期に変調をきたしているのだろう。地域による時差ボケの影響も小さくはないだろう。
強行軍の任務が終わり日常に戻るとはいえ、君とロドスの「日常」とは戦闘と切り離せないのが現状だ。望もうと望むまいと、な。
君を担当する主治医として無理はあまり言えないが、やはり早いうちに正常な睡眠サイクルに戻してもらう必要がある。
……とはいえ。数日の休暇はこちらで取得しておく。上司の君や私が休暇を取らないと、職員やオペレーターに好ましくない印象を与えるからな。
そろそろロドスに着くぞ。立つんだ。

これでまたしばらくは怪文書見納めだと思うとさみしいものだ